ペラっと積読紹介の第二弾です。
ルール①目次を除いて最低5ページ読むこと。
ルール②続きが気になっても30分以上読まないこと。
ルール③読んだところまでの感想などをひとこと。(できるだけ読みながら30分の間に書いていくこと)
- 一冊目 遠藤周作『死について考える』
- 二冊目 シャーロット・ブロンテ『ジェーン・エア』
- 三冊目 綿谷りさ『蹴りたい背中』
- 四冊目 ティムール・ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』
- 五冊目 村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』
- 六冊目 伊藤計劃・円城塔『屍者の帝国』
- 七冊目 ケン・リュウ編 『金色昔日 現代中国SFアンソロジー』
- 八冊目 ウォルター・テヴィス 『クイーンズ・ギャンビット』
- 九冊目 道尾秀介『片目の猿』
一冊目 遠藤周作『死について考える』
表題の通り、遠藤周作による死についてのエッセイ集。光文社文庫。字が大きくて大変に読みやすい。テーマは重いようだけれども、やわらかくてやさしい読み心地。遠藤周作は『沈黙』しか読んだことがないので、著者のことを尊敬する気持ちがそんなには自分の中にはないが、遠藤周作の小説が好きな人はもう少し違った気持ちで読めるのかもしれない。39ページまで。
二冊目 シャーロット・ブロンテ『ジェーン・エア』
古本市で購入。上下巻セットで100円だった。奥付をみると、平成二十四年九十六刷改版。表紙はやや擦れている感じがあるもののスピンも外していない、一度も開いたことがないような美品。上下巻ものは下巻読んでも仕方ないので、上巻の冒頭だけ読みます。
主人公のジェーンは孤児として伯母に養育されているが、伯母の実子とは差別的に扱われ、疎んじられている。ジェーンは孤独の中で読書を愛しており、実子のほうの甘やかされて肥満した何も真剣に考えたことのないアホの子どもらに虐められるというそれはもうコテコテの設定(これが始祖なのだろうけど)。がんばれジェーン、負けるなジェーン! ジェーンは色々の苦難を不屈の精神で乗り越え、最終的には愛で結ばれるというお話らしい。初版は昭和二十八年という古さながら普通に読みやすい訳文。
三冊目 綿谷りさ『蹴りたい背中』
BOOKOFFで110円で買ったらしい。綺麗な状態だと思ったら、シャープペンシルの細かな字で書き込みの跡がぽつぽつとあってそのほとんどが丁寧に消してある。光が当たる角度を変えながら凹みを辿るとハングルのメモも混じっている。ふりがなと語彙についての注釈。読みながら勉強した形跡。作品とは全然関係ないんだけど、古本って他人の気配が楽しい時があるよねっていう話。しおりの代わりにして挟まっているレシートとか、熱いのよ。
史上最年少19歳での芥川賞受賞作。同時受賞者は金原ひとみ。すごい回だな。読んだのは22ページまで。はぁ〜。19歳?うそだろ。文章うますぎ。高校生の切実さというか瑞々しい描写も素敵です。読ませる文章ですぐに入り込んで読めそうだった。
四冊目 ティムール・ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』
これ映画は観たことがあってどこかのBOOKOFFで購入。基本設定はコメディ。ヒトラーが突如現代に蘇ったのに、モノマネ芸人だと思われてコメディアンにさせられていく。ドイツでこんなんやっていいんだー!ってびっくりしたけど、ドイツ以外だともっとダメか。広島長崎(福島)の並行世界的な創作物も日本人作家なら許される感がある。外からの創作だと、たんぽぽが巨大化する描写だけでもアウトになりかねないよなあ。
本作、読んでいくとヒトラー視点の一人称語り。空き地で目覚めたヒトラー総統。ヒトラーユーゲントらしき少年たちが駆けつけるが、だれひとりドイツ式敬礼をしない。大通りでは自転車に轢かれそうになり、すれ違っただけの老人に露骨に嫌な顔をされる。どうなっている。とにかく現状把握が必要と判断したヒトラーはキオスクで片っ端から新聞を捲り日付を確認する。2011年。2011年。目の前が暗くなっていった。37ページまで読んだ。
五冊目 村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』
2005年の夏から2006年の秋にかけて村上春樹が走ることについて「今の気持ち」をそのまま書き記したエッセイ。〈ランニングという行為を軸にした一種の「メモワール」として〉読むこともできる。前書きで紹介されていたあるランナーのマントラがとてもいい。〈pain is inevitable. Suffering is optional.〉痛みは避け難いとしても、苦しみはオプショナルだ。継続の方法、リズムの設定の仕方、執筆にも通じる心がけなども惜しげもなく披露。34ページまで読んだ。
六冊目 伊藤計劃・円城塔『屍者の帝国』
0年代の日本SFを牽引した伊藤計劃の絶筆を円城塔が完結させた作品。円城塔が好きで、伊藤計劃はそれほどでもなかったので、読みたいような、そうでもないような気持ちがあった。河出書房新社のサイトを見ると、伊藤計劃が残したのは素案と素描といくらかの資料で、分量的にはほぼ円城塔が書き上げたようだ。
物語の舞台は19世紀末の英国。屍者の脳に擬似霊素をインストールすることで、「動く死体」が出来上がる。屍体は盗まれ、その数は不足していた。医学生のワトソンが主人公。裏表紙のあらすじがワクワクを誘う。読めそう。
七冊目 ケン・リュウ編 『金色昔日 現代中国SFアンソロジー』
『折りたたみ北京』がすごく良かったので、文庫化して割とすぐ買っていたんだけど、放置していた。表題作は『三体X』の宝樹の作品なんだあ〜。めちゃ楽しみ〜。『三体』オリジナル著者の劉慈欣の『月の光』も収録。単行本の時は、こちらが表題作になっていた。『折りたたみ北京』に入っていた作品で好きになった夏笳の作品『おやすみなさい、メランコリー』が最初に収録されていたので、こちらから読んでいく。
チューリングが実際にチューリング・テストをパスするような人工知能プログラムを作ったのだとしたらというアイデアが元になっている作品かな。主人公の手製のぬいぐるみAIのリンディとアラン・チューリングの物語が交互に語られる。そこにメランコリーがどう効いてくるか。短編集なので、日記ネタとしても良さそう。
八冊目 ウォルター・テヴィス 『クイーンズ・ギャンビット』
同名のNetflixオリジナルドラマの原作。孤児院で育った少女ベス。施設の用務員にチェスを習い、才能を開花させていく。小説版はチェスの基礎知識のフォローまでしてくれる親切設計。小説読む分には大丈夫なくらいの知識はあるはずと信じて、本文から読んでいく。序盤の設定や内容はほぼドラマの通りだ。親を亡くした経緯が少し違うくらいじゃないかな。用務員のシャイベルと初戦を交わしたあたり、24ページまで読んだ。ちょっと文体が気になるけど、時々ドラマの映像を思い出したりすれば読んでいけるか。
九冊目 道尾秀介『片目の猿』
自分の趣味とは違うのだけど、推しのユーチューバーが道尾秀介が好きで紹介していた『カラスの親指』と『片目の猿』をだいぶ以前に買った。『カラスの親指』を先に読んで私の感性には合わず、こっちは読めないまま放置していた。一旦苦手意識を忘れて、いざ〜。
主人公はめちゃめちゃ耳がいいタイプの人間らしく、その耳がめちゃめちゃ大きいので何かと苦労しているらしい。本業は探偵で、産業スパイの証拠を掴むために楽器メーカに雇われている。持ち前の聴力でめちゃめちゃ視力が良くて目が大きい女性の情報を聞きつけて、彼女をスカウトして事務所で雇い入れた。あらすじによるとこの後殺人事件が起こるらしい。設定が変だけど斬新でちょっと楽しみかも。そのうち読めそう。
あと三冊くらい行きたかったけど力尽きた! また明日!