読書とカフェの日々

読書感想文と日記

セクス連呼厨大江の物語

タイトルはAIでつけてみた。ひどいな。
2024年になってた。びっくり。新年度になるので気持ち新たに。

 

今日の読書記録
「死者の奢り・飼育」大江健三郎
初めまして大江。大江は性器のことをセクスと云うのだ。セクス連呼厨大江。

 

表題作「死者の奢り」
医学部の解剖用死体を古い水槽から新しい水槽に移動する謎バイトの顛末を拗らせ気味の文学部生の視線から描いた作品。主人公は「死体って《物》だな」と思う。物って独立した感じがあるよな。そうとも俺たちは《物》なんだな。死は《物》だな。死体という物質的なものの具体性、死の安定した感じへの感動と、生きてることとその周辺の困難さ不安定さ柔らかさ煩わしさ戸惑いが対比されている。そしてこの謎バイトは主人公にとって非常に理不尽な感じに終わり、徒労感。

 

「人間の羊」
主人公は夜更けのバスの中でなんの理由もなしに外国人兵士たちに半ば脅されて下半身を裸にされて裸の尻をひたひたと叩いて遊ばれるという屈辱を受ける。外国人兵士たちは「羊撃ち、羊撃ち、パン パン」と歌いながら主人公の尻を打つ。バスの他の乗客も幾人か「人間の羊」にされ、裸の尻を叩かれる。歌い疲れて外国人兵士たちがバスから去った後で、羊を免れた乗客の中にいた正義漢教員野郎が被害者たちに向かって、声を上げないといけないとか言い出して本当にうざい。こういう奴が一番ダメで、本当に疲れを倍加させる。まじムカつく。なんなら加害者より害悪。主人公は教員に目をつけられてしまい、バスを降りた後もストーキングされて警察署まで無理やり連れて行かれ、被害届を強いられたり、それを拒んでもう帰ろうとしているのにずっとストーキングしてきてしまいにはお前の名前を突き止めてお前の受けた屈辱を明るみに出して死ぬほど恥をかかせてやるとか脅してくるので主人公が本当に可哀想なんですよ。疲労と絶望が広がります。ぜひ読んで。