読書とカフェの日々

読書感想文と日記

書評

読書記録:森田真生『計算する生命』

森田真生の『計算する生命』を読んだ。 計算する生命(新潮文庫) 作者:森田真生 新潮社 Amazon 森田は前作『数学する身体』で最年少で小林秀雄賞を受賞。前作は〈心と身体と数学〉をキーワードにして思考が展開されてきたのに対して、本書は心を形づくる「…

読書記録:岸政彦『断片的なものの社会学』

岸政彦の『断片的なものの社会学』を読んだ。読書会の課題本だった。 本書で「断片的なもの」は、「自分自身の解釈から外れるような語りやエピソード」とか「ただそこにあって分析できないもの」とか、単に「無意味なもの」あるいは「唐突で理解できない出来…

読書記録:多和田葉子『星に仄めかされて』

多和田葉子の『星に仄めかされて』を読んだ。 星に仄めかされて (講談社文庫) 作者:多和田葉子 講談社 Amazon 本書は長編三部作の第二部で、『地球にちりばめられて』の続編となる。第一部では留学中に故郷の島国が消滅してしまったHirukoの母語を巡る旅が始…

読書記録:東畑開人『野の医者は笑う』

東畑開人の『野の医者は笑う』を読んだ。 野の医者は笑う 心の治療とは何か? (文春文庫) 作者:東畑 開人 文藝春秋 Amazon 楽しい読書だった。野の医者とはざっくり言えば科学的根拠のあやしい民間療法やスピリチュアルや占いなどの手法で癒しを行う人たちの…

読書記録:古賀史健『さみしい夜にはペンを持て』

古賀史健の「さみしい夜にはペンを持て」を読んだ。 さみしい夜にはペンを持て (一般書) 作者:古賀 史健 ポプラ社 Amazon 古賀史健さんは「嫌われる勇気」の著者(岸見一郎との共著)。本書も「嫌われる勇気」と似た構成をとっていて、主人公のタコのタコジ…