読書とカフェの日々

読書感想文と日記

6月11日

今週は今日を含めて4日間働けば休みだ。あと3回がんばって起きよう。今日は訳あり退職者の引き継ぎされなかった業務があり、少し前から心配していたんだけど断片的情報を再構築してなんとか形をなしたっていう感じで無事に滑り出した。そんなに難しい業務ではないのでこれは今後もそれなりに進んでいきそうだ。それとは別に全く心配してなかった方面から魔物が飛び出して予想外の疲労。やることなすこと全部うまくいくなんてことはないね。個人的に受け止めて凹むようなことでもないし同僚も助けてくれそうだからなんとかなるだろう。とりあえず明日また情報を整理してどうしていくか決めていこう。

ということがあってちょっと疲れてしまい、集中しきれなかったところもあったけど、多和田葉子の『星に仄めかされて』を読了した

第一弾とは旅の雰囲気が変わって、少し読むのが苦しいようなパートもあった。読みにくいとか面白くないのではなくて、前作のHirukoやクヌート、アカッシュなどの気持ちのいい穏やかなキャラクターとは少し違った語りが続いて、愛着のあるキャラクターたちが苦しむことがないといいなと思いながら読んでいた。前作は登場人物がビリヤードのように出会いながら弾けることで旅が連なっていったけど、今作では時間的にも空間的にも凝縮した場面設定になっている。同じ時に同じ場所にいて、言葉を交わしているのに、言葉どうしがすり抜けてしまったり、重要なことを語り合えなかったりする。自分自身の役割にはまり込んで抜け出せなくなったり、思いもよらぬ役割を押し付けられそうになって戸惑ったり、正反対の魅力で互いを引き立てあったりもする。言語以外の要素が言葉の沼から助け出してくれたりもする。複数のキャラクターが集まって話をしていても誰が誰に何語で語りかけているのかがわからない部分もあるけど、すごく意図的にそう描写している感じがする。言葉で急所を探って、神話から秘密を抉り出そうとしているかのようなスリリングさもあり、第一弾より全体としてメタファー的というか、少し難解な印象がある。やっぱり2周しないと噛み砕けないっぽい。もう一回ゆっくり読んで整理してみようかなと思う。